アンコウの雄。 生き物たちは死ぬ間際、何を思うのか『生き物の死にざま』

カエルアンコウの見分け方 【海的ダイバーサイト】

アンコウの雄

そこにはジャイアントな生き物、恐い顔した深海魚、奇妙な体形、変わった習性などとても個性的な生き物が生息しています。 今回ご紹介する深海魚は、謎に満ちた チョウチンアンコウのオスです。 同じ種類なのに何故こうまでオスは違うのでしょうか? どうやってメスを見つけているのでしょうか? 1.チョウチンアンコウ チョウチンアンコウの仲間には、 アカグツをはじめいろいろな科があります。 ここではオスがメスの体に寄生する ミツクリエナガチョウチンアンコウ、 ヒレナガチョウチンアンコウ、 ビワアンコウ、 オニアンコウを中心に紹介いたします。 チョウチンアンコウの大部分はヒレのある軟らかいテニスボールのような形をしていて、あまり大きくなりません。 胸ヒレを持っていないことも特徴の一つです。 水深300〜4,000mの深海の中層に生息しているので、水の動きとともに浮きもせず、沈みもせず、漂うように生活していて、あまり速くは泳げません。 目は小さく、柔軟な薄い骨格を持っていて、ゼリーのようなやわらかい肉でおおわれています。 そして皮膚は非常に薄くできていて、人の手が触れたり、網で触られたりすると容易に剥がれてしまいます。 体の色は黒または灰色で目立たない色をしています。 このチョウチンアンコウの色は、他の発光器を持つ魚などからの 青白い光を吸収してしまうため、暗い深海でも見えにくくなっています。 チョウチンアンコウは 肉食で、 発光器官はメスだけが持っています。 ルアーと呼ばれる頭の前の器官に発光器があって、これで獲物を誘き寄せて捕食しています。 発光は バクテリアによる青白い発光で、この光は遠くまで届きます。 チョウチンアンコウの仲間にはこの発光器が顎の下にあるものもいますが、大半は頭の前に竿のような状態のルアーを備えています。 2.チョウチンアンコウのオス チョウチンアンコウのメスは何百万個もの卵を産卵しています。 産卵した卵の性比は1:1と言われています。 しかし、繁殖するにはメス1に対してオスは16必要、あるいはメス1に対してオス6が必要などといろいろな説があるようです。 ともかくオスとメスの大きな違いは体のサイズです。 チョウチンアンコウの産卵は 深海の中層で行われていますが、 卵は浮力があるので海面に浮上してふ化します。 ふ化した 稚魚や 幼魚は餌の豊富な 浅い海域で プランクトンを食べて育ち、成長に従い深海の中層へ降りてきます。 チョウチンアンコウの選択肢は、メスを大きく育てて子孫を繁栄させる方法を選らんだので、メスには獲物を捕らえるルアーを与えたのです。 そしてオスは成熟するまで孤独な生活をしていますが、発光器すらないのです。 代わりに目はメスに比べると大きく、優れた嗅覚を持っています。 また、鋭い歯も発達しています。 ところが消化系は貧弱なようです。 一方、メスは食欲が旺盛で成長も早く、顎も歯も強力で胃は大きく膨張できるので、大きな獲物も呑み込むことができます。 成熟するに従い、発光器官などが発達するとともに フェロモンを放出するようになります。 こうしてオスを誘惑するのです。 3.オスとメスが出逢った後 成熟が進んでくるとメスはオスを複数従えて泳いでいると言われています。 深海の中層でどうやって繁殖のパートナーを見つけているのでしょう。 偶然だけではなかなか出逢えません。 オスは絶えずパートナーを捜し出す努力は惜しまないようです。 さらに高度に発達した嗅覚でメスのフェロモンを感じ、近寄ってくるようです。 オスは同じ仲間のメスと判ると体に噛みつきます。 この時、先に説明した皮膚は薄く、ゼリーのような肉が効いてくるのです。 オスは鋭い歯で噛みつき、さらにくさびのようなもので外れないように工夫しています。 するとオスの唇とメスの皮膚が血管レベルまで融合して行きます。 こうしてメスの血管から栄養を摂るようになります。 寄生したオスは次第に退化がはじまります。 目は小さくなり、結局は目が消滅します。 呼吸も自分では行わなくなりますが、栄養をもらってやや大きくなるようです。 こうなるとそれらの体は一種の 雌雄同体を形成します。 この間にもメスは積極的にオスを誘惑し、他のオスが噛みついて寄生がはじまることもあります。 メスの 卵巣が発達してくると、血液中のホルモンから寄生しているオスの 精巣も同様に発達してゆきます。 少し大きくなったオスは内臓まで失われてゆきますが、精巣だけが大きくなります。 さらに産卵のタイミングも血液ホルモンを通じてオスに伝わり、タイミング良く産卵と放精が行われるのです。 こうしてチョウチンアンコウは、繁殖のパートナーを探すのに困難な深海で、メスはオスを寄生させて繁殖の機会を逃さずに産卵できるのです。 4.チョウチンアンコウのオスの発見 科学者が最初にチョウチンアンコウを捕らえた時、標本のすべてがメスであることが分かりましたが、オスは見つかりませんでした。 しかし、それらのほとんどすべてに 寄生生物が付いていました。 そして後に、これらの「寄生生物」がオスのチョウチンアンコウだったことが判明したのです。 こうして驚異のオスの生活が明らかになりました。 今でも深海生物を代表するチョウチンアンコウですが、まだまさその生活は謎に満ちています。 (関連リンク).

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究極の愛の形、雄の壮大な人生と呆気無い最期、オニアンコウの一種を紹介

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この記事の目次• 内蔵まで透けている、体全体がスケルトン状になっているオニアンコウの一種 photo by この深海魚は体のスケルトン状に透けており皮膚を通し、内蔵まで透けて見える変わった深海魚です。 オニアンコウの生態・データ オニアンコウの一種 Soft Leafvent Angler Haplophryne mollis 生息水域: 1000m ~4000m 体長は約8cm メスの体長は5~10cm メスに対してオスは、成魚なのに6ミリメートルという小型のオスも頻繁に発見されている。 オスはメスを見つけると、種の繁栄のためにもしがみつき、省エネで浮遊で移動を繰り返しています。 深海でオスとメスが出会う確率の低さは少ない photo by 餌も乏しく、暗く冷たい深海で、オスとメスが出う確率は非常に稀です。 そのため、オスはメスを見つけるために省エネ浮遊で移動を繰り返し、種の繁栄のために メスに出会うと鍵状の歯でメスの体をがっちりとかじりつきます。 そして一度かじりつくと、もう離れません。 一度ガッチリホールドした雄のオニアンコウの一種、その後は・・・・ (photo by ) 一度ガッチリとホールドした雄のオニアンコウは内蔵がやがて縮小して、 血管はメスにつながり、栄養も酸素もメスから得るようになります。 つまり雄と雌が一体化してしまうのです。 精子を作ることにのみに集中した雄オニアンコウの最期 雌オニアンコウにガッチリホールドした雄のオニアンコウは、 精子をつくることだけとなり、役目を終えると、やがて雌に吸収されてしまい 最終的には雌のオニアンコウの一部になってしまいます。 そして一部になってしまったオニアンコウは人間でいうとイボのような存在になります。 一度、雌のオニアンコウに吸収されると、 完全に一体化して最期は吸収されてしまうのです。 中には一時的に付着して離れるオニアンコウも存在する photo by 一部は繁殖期だけ一時的に付着して離れてしまう種もいます。 しかし雄の最期は、雌に付着して吸収されてしまうという 雄のオニアンコウは幸せかどうかは分からないが究極の愛のカタチですね。 この雄のオニアンコウは果たして吸収後も自我があるのか それとも完全に個としての生命が消滅してしまうのか気になるところですが、 更なる研究報告を期待しています。 関連記事:.

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アンコウは凄い魚!旬・産地・食べ方をを魚屋が解説

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アンコウはその姿だけではなく、生き様もすごい。 アンコウのメスはその色や形も様々で大きい。 一方オスのアンコウは、とても小さくメスの3分の1〜13分の1程度の大きさしかない。 ミツクリエナガチョウチンアンコウ科など少なくとも4科のオスは、メスに寄生して生活することが知られている。 これらの寄生性の雄は種特異的なフェロモンを介して雌を発見し、腹部に噛み付いて一体化する。 雄の体には雌の血管が伸びて栄養供給を完全に依存するようになり、生殖以外の機能は退化するという。 故にオスは体全部が生殖器のようなものとなっている。 メスはそのカモフラージュ能力も高く様々なものに擬態する。 そうやって油断させておいて、頭部にくっついている誘引突起(イリシウム)とその先端についている擬餌状体(エスカ)を利用し、餌となる魚をおびき寄せる。 これをヒラヒラ振り回されると、まるで猫じゃらしのごとく、魚たちはうっかり近づいていってしまい一瞬にしてパクっと食べられてしまう。 チョウチンアンコウレベルになると、この擬餌状体(エスカ)に発光するバクテリアを共生させる共生発光器が搭載されている。 暗闇の中を光らせることで更に捕獲力はアップする。 江ノ島水族館が撮影した発光するチョウチンアンコウの貴重な映像 だがそれだけではない。 なんと共生発光器からブワっと発光液の放出することもできるのだ。 これにより獲物の目を眩ませることもできるというのだから、向かうところ敵なしといったところだろうか。 こんなにメスだけが高性能に発達してしまったら、オスはもう、全身生殖器でもしょうがないのかもしれないね。 それでアンコウ世界はうまく回っているのだから、これはこれでアリなんだ。

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