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【中小企業は2021年4月適用】同一労働同一賃金への対応ポイント|中小企業の働き方改革

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同一労働同一賃金とは 同一労働同一賃金とは、 「同じ労働 仕事 に従事する労働者には、雇用形態に関わらず同じ賃金を支給するべきである」 という考え方です。 性別や人種などの違いで生まれた差別を禁じる「人権保障」の観点から生まれた考え方で、EU諸国で広く普及しています。 2016年に政府が「一億総活躍社会の実現」を目指して働き方改革を掲げた際に、その根幹となる制度として位置づけられたため、日本でも注目されるようになりました。 同一労働同一賃金の導入は、次の3つの課題を解決するための施策となっています。 そのため、非正規雇用の拡大、および正規・非正規間の賃金格差が増大しています。 以下の図は、諸外国におけるフルタイム労働者 正社員 とパートタイム労働者の賃金水準を示した資料です。 出典:「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告参考資料」 資料によると、 日本はパートタイム労働者がフルタイム労働者の約56%の賃金しかもらえていません。 また、諸外国と比べても、パートタイム労働者の賃金水準 が日本は低くなっていることがわかります。 このように、正社員と非正規雇用労働者の間には大きな賃金格差があるのです。 しかし、非正規雇用労働者の賃金カーブは、日本型雇用システムのそれと異なります。 以下の図は、雇用形態別の賃金カーブを比較したものです。 出典:「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告参考資料」 図からは、 無期・有期パートや有期社員といった非正規雇用労働者の賃金は、ほぼ横ばいで推移していることがわかります。 非正規雇用労働者は勤続年数が増えたとしても賃金が上がらないため、生涯年収に関して正社員との間に大きな差が生まれているのです。 バブル崩壊後の安価な労働力としてのニーズだけでなく、パートタイムや有期雇用労働者での女性の社会進出が進んだこと、派遣労働者としてキャリアアップを目指す人が増えたことなどがその一因としてあげられます。 以下のグラフは、非正規雇用労働者の推移を示したものです。 出典:「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告参考資料」 非正規雇用労働者の数は、今後も増加することが考えられています。 そのため、非正規雇用労働者でも安心して生活できるレベルまで給与や待遇を上げる必要が出てきました。 子供の教育費や老後の生活資金など、充実した生活をおくることができる環境を整える必要があります。 2016年12月にガイドライン案が公開され、関係者の意見や国会審議、労働政策審議会における議論を経て、2018年12月に確定したものが公開されました。 2-1. 労働者の雇用状況を確認する まず、自社に法改正の対象となる非正規雇用労働者 パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者 がいるかどうか確認し、 その 非正規雇用労働者の雇用状況をチェックします。 その際に確認するポイントは、「 職務内容」「 職務内容・配置の変更範囲」「 その他の事情」の3点です。 職務内容 職務内容は、 「業務の内容」+「責任の程度」で決定します。 正社員と非正規雇用労働者の職務内容が同じか否か判断する上では、「業務の内容が同じか」「責任の程度が同じか」を客観的にチェックするようにしましょう。 職務内容・配置 の変更範囲 職務内容・範囲の変更範囲とは、 人材活用の仕組みや運用がどうなっているかを指します。 「人事異動の範囲が同じか」「役職や役割の変化の有無があるか」などです。 その他の事情 勤続年数や能力・経験の有無など、待遇を決定する要因はさまざまあります。 そのため、雇用状況を考慮する上では、それぞれの労働者の状況についてもしっかりと整理しておくことが必要となってきます。 2-2. 労働者の待遇状況を 確認する 次に、各労働者の待遇の内容について確認します。 その際には、給与だけでなく、各種手当や福利厚生などの内容もチェックしましょう。 【同一労働同一賃金】待遇に関するチェック表 また、そもそも非正規雇用労働者の賃金決定基準やルールが正社員と異なる指標で設定されている場合でも、客観的・具体的な実態を考慮した上で、待遇が異なることが不合理なものにならないようにする必要があります。 2-3. 「均衡待遇」と「均等待遇」の実現を目指す 待遇状況を確認した後、正社員と非正規雇用労働者の不合理な待遇の差をなくすための施策を打つことが必要となります。 その際に重要なのは、 均衡待遇 と 均等待遇が実現されるようにすることです。 「職務内容」「職務内容・配置の変更範囲」が全く同じ場合は、差別的取り扱いを禁止することです。 すべての待遇について、同じ取り扱いをしなければなりません。 もちろん、簡単に変えられない部分も多くあることと思います。 いきなり「 給与体系を変えてほしい!」と言われても、すぐには対応できない企業も多いことでしょう。 初めから給与などの大きい部分に取り掛かるのではなく、交通費や食事手当など、変えることができる部分から少しずつ取り組んでいくことも重要です。 2-4. 待遇に関する説明を可能にする 最後に、待遇に関して非正規雇用労働者に聞かれた場合に、しっかりと説明ができるように準備しておかなければなりません。 その際には、「比較対象」「説明内容」「説明方法」の3点に注意して準備するようにしましょう。 比較対象 非正規雇用労働者と正社員の待遇の間に不合理な差が無いことを示すために、それぞれの待遇を比較する必要があります。 非正規雇用労働者と職務内容などが最も近いと判断できる正社員を特定し、その正社員の待遇を把握しておきましょう。 説明内容 非正規雇用労働者に説明することは、簡潔にわかりやすくまとめられている必要があります。 「待遇に関する基準」「具体的な待遇の内容」「正社員との待遇の違い」など、整理しておきましょう。 説明方法 非正規雇用労働者が待遇について理解できるように、わかりやすく説明しなければなりません。 資料 就業規則や賃金表 などを活用しながら、口頭で説明すること望ましいでしょう。 また、全てをわかりやすく記載した文書を渡すなどで対応することが可能です。 「派遣労働者」への対応 前述の通り、同一労働同一賃金には派遣労働者も適用されます。 ただし、派遣労働者は人材派遣会社が雇用しているため、給与などの待遇を決定するのは人材派遣会社となります。 そのため、 派遣労働者に対する同一労働同一賃金を実現するためには、人材派遣会社に比較対象となる正社員の待遇に関する情報を提供する必要があります。 直接雇用をしているパートタイム労働者や有期雇用労働者の場合と少し異なるので注意が必要です。 3-1. 「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」のどちらかを選択する 派遣労働者への待遇は、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2つの方式のうち、どちらか1つを取ることになります。 同一地域の平均賃金などを考慮した上で労使協定を締結した後、その一定水準以上の待遇にする方式です。 派遣先の正社員と直接比較するわけではないので、人材派遣会社に待遇状況を全て公開する必要はありません。 ただし、「 教育訓練」と「 給食施設、休憩室及び更衣室」に関しては派遣先企業の状況によるため、人材派遣会社に情報を提供する必要があります。 全ての待遇状況を公開しなければならない派遣先均等・均衡方式は対応が難しいため、労使協定方式を採用することが多くなるかもしれません。 しかし、労使協定方式の場合は「均衡待遇」や「均等待遇」が正確に実現したとは言いにくいでしょう。 3-2. 各方式における対応の流れ 厚生労働省・都道府県労働局が作成した 「平成30年 労働者派遣法 改正の概要 」より抜粋 派遣先均等・均衡方式の場合、比較対象の正社員の待遇に関する情報を人材派遣会社にすぐに提供する必要があります。 人材派遣会社は、その情報をもとに派遣労働者の待遇を決定します。 一方で、 労使協定方式は人材派遣会社が最新の統計を確認し、労使協定を結んだ後に、派遣労働者の待遇を決定していきます。 人材派遣会社に比較対象の正社員の待遇に関する情報をすぐに提供しなくても良いため、対応はしやすいでしょう。 同一労働同一賃金が企業に与える影響 ここで、同一労働同一賃金が、企業に対してどのような影響を与えるのかについて解説します。 良い影響と悪い影響について表にまとめると、以下のようになります。 良い影響 社員のモチベーションが上がる• 非正規雇用労働者の待遇を改善することで、仕事への満足度が高まる。 離職率が低下し、スキルを持った人材が長期的に根付く組織になる。 生産性が向上する• 教育訓練正規・非正規に関わらず、さまざまな社員が活躍する機会を得ることができる。 非正規雇用労働者を含めた人材が自社に集まるようになり、人手不足が解消する。 悪い影響 労務コストがかかる• 非正規雇用労働者の賃金が上がるため、今よりも人件費が高くなってしまう。 法改正に伴う社内制度の改善に時間がかかる。 同一労働同一賃金の導入により、 企業にとっては今までよりも大きな労務コストがかかることが予想されます。 人件費だけでなく、交通費や昼食代、教育訓練や福利厚生にかかる費用など、さまざまなお金が必要になるでしょう。 しかし、 同一労働同一賃金に対応をすることで得られるメリットも多くあります。 非正規雇用労働者のモチベーションが上がれば、仕事への満足度向上、および離職率が低下します。 潜在的な能力を秘めた非正規雇用労働者が活躍する機会が広がることも考えられるかもしれません。 同じ仕事であれば、賃金は同一であるべき• 非正規社員のモチベーションアップにつながる 【反対側の声】• 何を持って同一労働とするのか曖昧• 日本の雇用慣習において欧米型の考え方は馴染まない 同一労働同一賃金の導入により各企業が受ける影響は不明瞭な部分も多く、同一労働同一賃金の考えに一定の理解はあるものの、現実的には対応しきれない企業も多くあるかもしれません。 いずれにせよ、 制度の導入に合わせて、しっかりとした準備をおこなうことが大切です。 企業が注意すべきポイント ここまで、同一労働同一賃金に対する対応についてまとめてきました。 さらに、これらを実施する上で注意しなければならないポイントについてもまとめました。 同一労働同一賃金の導入は、 非正規雇用労働者の待遇を正社員と同じにすることが目的ではなく、非正規雇用労働者の待遇が改善されることが目的です。 また、正社員の待遇が現状よりも悪くなることがあれば、正社員の仕事に対するモチベーションが低下してしまいます。 もちろん、正社員の中にも総合職や一般職などさまざまな違いがあり、待遇にも差があるでしょう。 その中で、 全ての雇用管理区分の正社員と非正規雇用労働者の間にある不合理な待遇の差を解消しなければなりません。 それぞれの職務内容に応じて、その職務の大変さや責任の重さなどは異なります。 バランスを考慮した上で、正社員と非正規雇用労働者が合理的だと判断する待遇にする必要があります。 全国で「 働き方改革推進センター」が設置され、 労務管理の専門家が無料で相談や支援をしてくれる• 各種対応のための情報 ウェブサイト・資料・マニュアルなど が提供されている• 裁判外紛争解決手続 『行政ADR』の規定の整備により、労働局長による紛争解決援助が受けられる これらさまざまな支援があることを念頭に置いた上で、同一労働同一賃金の導入に際して適切な対応ができるように準備してください。 まとめ 日本の人口が減少する中、企業が人手を確保することはとても重要です。 非正規雇用労働者への待遇が改善されることは、自社で雇用する労働者全体のモチベーションを上げるとともに、人材獲得や人材定着につながることでしょう。 もちろん、企業側にはさまざまな点において負荷がかかることと思います。 簡単に対応できるものではありませんが、法律が施行されれば対応しなければなりません。 同一労働同一賃金の背景について理解した上で、自社で取るべき対応について時間をかけて検討していくことが求められます。

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【中小企業は2021年4月適用】同一労働同一賃金への対応ポイント|中小企業の働き方改革

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内 容 施行時期 同一労働同一賃金の義務化 正社員と非正規労働者の不合理な待遇差の禁止、派遣労働者の派遣先または同種業務労働者との均等待遇実施、正社員との待遇差の内容・理由の説明の義務化。 大企業 2020年4月 中小企業 2021年4月 同一労働同一賃金の義務化は、働き方改革関連法の一つです。 企業・団体における正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)間の、不合理な待遇差の解消を目指すもの。 法案名は「パートタイム・有期雇用労働法(現在のパートタイム労働法)」が正式な名称となります。 施行期日は、大企業で2020年4月、中小企業は2021年4月。 大企業にとっては残り数か月。 中小企業にとっては、施行までに少し猶予がありますが、早めの対応が大事になります。 業 種 資本金の額または出資の総額 常時使用する労働者数 小売業 5,000万円以下 または 50人以下 サービス業 5,000万円以下 または 100人以下 卸売業 1億円以下 または 100人以下 その他 3億円以下 または 300人以下 中小企業であるか大企業であるかは、「資本金の額または出資の総額」と「常時使用する労働者の数(事業場単位ではなく、企業単位)」で判断されます。 「常時使用する労働者数」については、企業の通常の状況により判断します。 臨時的に雇い入れた場合や、臨時的に欠員が生じた場合については、労働者の数に変動が生じたものとして取り扱う必要がありません。 パート・アルバイトであっても、臨時的に雇い入れられた場合ではなければ、常時使用する労働者数に算入する必要があります。 ご注意ください! 社労士が解説!「同一労働同一賃金」施行の背景 2019年7月の有効求人倍率(季節調整値)では、とうとう1. 59倍とバブル期を超える高水準となっています。 一方、日本の人口は2008年をピークとして減少に転じており、労働力人口の高齢化と、急速な減少が進んでいます。 そのうち、パートタイム労働者は平成30年には約1,817 万人と、雇用者全体の約3割を占め、我が国の経済活動の重要な役割を担っています。 一方で、仕事や責任が正社員と同様でも、賃金などの待遇が働きや貢献に見合っていない場合や、希望してもなかなか正社員になることが難しいという問題も発生。 パートタイム労働者の働く意欲を失わせてしまうような状況が続いています。 国はこうした問題を解消し、その能力を一層有効に発揮することができる雇用環境、法整備するとともに、多様な就業形態で働く人々が意欲や能力を十分に発揮し、その働きや貢献に応じた待遇を得ることのできる「公正な待遇の実現」を目指しています。 その結果、同一企業内における正社員とパートタイム・有期雇用労働者との間の不合理な待遇の差をなくし、どのような雇用形態を選択しても待遇に納得して働き続けることができるよう、働き方改革関連法が平成30 年7月に公布。 同法による改正後の「パートタイム・有期雇用労働法(現在のパートタイム労働法)」が2020 年4月に施行(中小企業におけるパートタイム・有期雇用労働法の適用は、2021 年4月)。 これが同一労働同一賃金の義務化となります。 手順 解説 1 労働者の雇用形態を確認しましょう 法の対象となる労働者の有無をチェックします。 社内で、短時間労働者や有期雇用労働者は雇用していますか? 2 待遇の状況を確認しましょう 短時間労働者・有期雇用労働者の区分ごとに、賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などの待遇について、正社員と取扱いの違いがあるかどうか確認しましょう。 書き出して、整理してみるとわかりやすいでしょう。 3 待遇に違いがある場合、違いを設けている理由を確認しましょう 短時間労働者・有期雇用労働者と正社員とでは、働き方や役割などが異なるのであれば、それに応じて賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などの待遇が異なることはあり得ます。 そこで、待遇の違いは、働き方や役割などの違いに見合った、「不合理ではない」ものと言えるか確認します。 なぜ、待遇の違いを設けているのか、それぞれの待遇ごとに改めて考え方を整理してみましょう。 4 手順2と3で、待遇に違いがあった場合、その違いが「不合理ではない」ことを説明できるように整理しておきましょう 事業主は、労働者の待遇の内容・待遇の決定に際して考慮した事項、正社員との待遇差の内容やその理由について、労働者から説明を求められた場合には説明することが義務付けられます。 短時間労働者・有期雇用労働者の社員タイプごとに、正社員との待遇に違いがある場合、その違いが「不合理ではない」と説明できるよう、整理しましょう。 労働者に説明する内容をあらかじめ文書に記してまとめておくと便利です。 5 「法違反」が疑われる状況からの早期の脱却を目指しましょう 短時間労働者・有期雇用労働者と、正社員との待遇の違いが、「不合理ではない」とは言いがたい場合は、改善に向けて検討を始めましょう。 また、「不合理ではない」と言える場合であっても、より望ましい雇用管理に向けて改善の必要はないか検討することもよいでしょう。 6 改善計画を立てて取り組みましょう 改善の必要がある場合は、労働者の意見も聴取しつつ、就業規則や賃金規定を見直す必要があります。 パートタイム・有期雇用労働法の施行までに、計画的に取り組みましょう。 合わせて、間に合わなかった場合や、守られていない場合には罰則があるかも気になる企業は多いようです。 以下に、回答します。 同一労働同一賃金関連条文は、2020年4月1日施行の「パートタイム労働法」に規定されていますが、同法律は労働基準法や労働契約法と異なって、直接契約の内容を規制したり、罰則によってその内容を強制したりする法律ではありません。 事業主に対する行政の援助、指導、勧告によってその内容を実現することを目指しています。 ですので、法施行までに準備していただくのは事業主としての義務ではありますが、 罰則は設けられていません。

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同一労働同一賃金~不合理な差別になる具体例は?

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同一労働同一賃金とは 同一労働同一賃金とは、 「同じ労働 仕事 に従事する労働者には、雇用形態に関わらず同じ賃金を支給するべきである」 という考え方です。 性別や人種などの違いで生まれた差別を禁じる「人権保障」の観点から生まれた考え方で、EU諸国で広く普及しています。 2016年に政府が「一億総活躍社会の実現」を目指して働き方改革を掲げた際に、その根幹となる制度として位置づけられたため、日本でも注目されるようになりました。 同一労働同一賃金の導入は、次の3つの課題を解決するための施策となっています。 そのため、非正規雇用の拡大、および正規・非正規間の賃金格差が増大しています。 以下の図は、諸外国におけるフルタイム労働者 正社員 とパートタイム労働者の賃金水準を示した資料です。 出典:「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告参考資料」 資料によると、 日本はパートタイム労働者がフルタイム労働者の約56%の賃金しかもらえていません。 また、諸外国と比べても、パートタイム労働者の賃金水準 が日本は低くなっていることがわかります。 このように、正社員と非正規雇用労働者の間には大きな賃金格差があるのです。 しかし、非正規雇用労働者の賃金カーブは、日本型雇用システムのそれと異なります。 以下の図は、雇用形態別の賃金カーブを比較したものです。 出典:「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告参考資料」 図からは、 無期・有期パートや有期社員といった非正規雇用労働者の賃金は、ほぼ横ばいで推移していることがわかります。 非正規雇用労働者は勤続年数が増えたとしても賃金が上がらないため、生涯年収に関して正社員との間に大きな差が生まれているのです。 バブル崩壊後の安価な労働力としてのニーズだけでなく、パートタイムや有期雇用労働者での女性の社会進出が進んだこと、派遣労働者としてキャリアアップを目指す人が増えたことなどがその一因としてあげられます。 以下のグラフは、非正規雇用労働者の推移を示したものです。 出典:「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告参考資料」 非正規雇用労働者の数は、今後も増加することが考えられています。 そのため、非正規雇用労働者でも安心して生活できるレベルまで給与や待遇を上げる必要が出てきました。 子供の教育費や老後の生活資金など、充実した生活をおくることができる環境を整える必要があります。 2016年12月にガイドライン案が公開され、関係者の意見や国会審議、労働政策審議会における議論を経て、2018年12月に確定したものが公開されました。 2-1. 労働者の雇用状況を確認する まず、自社に法改正の対象となる非正規雇用労働者 パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者 がいるかどうか確認し、 その 非正規雇用労働者の雇用状況をチェックします。 その際に確認するポイントは、「 職務内容」「 職務内容・配置の変更範囲」「 その他の事情」の3点です。 職務内容 職務内容は、 「業務の内容」+「責任の程度」で決定します。 正社員と非正規雇用労働者の職務内容が同じか否か判断する上では、「業務の内容が同じか」「責任の程度が同じか」を客観的にチェックするようにしましょう。 職務内容・配置 の変更範囲 職務内容・範囲の変更範囲とは、 人材活用の仕組みや運用がどうなっているかを指します。 「人事異動の範囲が同じか」「役職や役割の変化の有無があるか」などです。 その他の事情 勤続年数や能力・経験の有無など、待遇を決定する要因はさまざまあります。 そのため、雇用状況を考慮する上では、それぞれの労働者の状況についてもしっかりと整理しておくことが必要となってきます。 2-2. 労働者の待遇状況を 確認する 次に、各労働者の待遇の内容について確認します。 その際には、給与だけでなく、各種手当や福利厚生などの内容もチェックしましょう。 【同一労働同一賃金】待遇に関するチェック表 また、そもそも非正規雇用労働者の賃金決定基準やルールが正社員と異なる指標で設定されている場合でも、客観的・具体的な実態を考慮した上で、待遇が異なることが不合理なものにならないようにする必要があります。 2-3. 「均衡待遇」と「均等待遇」の実現を目指す 待遇状況を確認した後、正社員と非正規雇用労働者の不合理な待遇の差をなくすための施策を打つことが必要となります。 その際に重要なのは、 均衡待遇 と 均等待遇が実現されるようにすることです。 「職務内容」「職務内容・配置の変更範囲」が全く同じ場合は、差別的取り扱いを禁止することです。 すべての待遇について、同じ取り扱いをしなければなりません。 もちろん、簡単に変えられない部分も多くあることと思います。 いきなり「 給与体系を変えてほしい!」と言われても、すぐには対応できない企業も多いことでしょう。 初めから給与などの大きい部分に取り掛かるのではなく、交通費や食事手当など、変えることができる部分から少しずつ取り組んでいくことも重要です。 2-4. 待遇に関する説明を可能にする 最後に、待遇に関して非正規雇用労働者に聞かれた場合に、しっかりと説明ができるように準備しておかなければなりません。 その際には、「比較対象」「説明内容」「説明方法」の3点に注意して準備するようにしましょう。 比較対象 非正規雇用労働者と正社員の待遇の間に不合理な差が無いことを示すために、それぞれの待遇を比較する必要があります。 非正規雇用労働者と職務内容などが最も近いと判断できる正社員を特定し、その正社員の待遇を把握しておきましょう。 説明内容 非正規雇用労働者に説明することは、簡潔にわかりやすくまとめられている必要があります。 「待遇に関する基準」「具体的な待遇の内容」「正社員との待遇の違い」など、整理しておきましょう。 説明方法 非正規雇用労働者が待遇について理解できるように、わかりやすく説明しなければなりません。 資料 就業規則や賃金表 などを活用しながら、口頭で説明すること望ましいでしょう。 また、全てをわかりやすく記載した文書を渡すなどで対応することが可能です。 「派遣労働者」への対応 前述の通り、同一労働同一賃金には派遣労働者も適用されます。 ただし、派遣労働者は人材派遣会社が雇用しているため、給与などの待遇を決定するのは人材派遣会社となります。 そのため、 派遣労働者に対する同一労働同一賃金を実現するためには、人材派遣会社に比較対象となる正社員の待遇に関する情報を提供する必要があります。 直接雇用をしているパートタイム労働者や有期雇用労働者の場合と少し異なるので注意が必要です。 3-1. 「派遣先均等・均衡方式」「労使協定方式」のどちらかを選択する 派遣労働者への待遇は、「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2つの方式のうち、どちらか1つを取ることになります。 同一地域の平均賃金などを考慮した上で労使協定を締結した後、その一定水準以上の待遇にする方式です。 派遣先の正社員と直接比較するわけではないので、人材派遣会社に待遇状況を全て公開する必要はありません。 ただし、「 教育訓練」と「 給食施設、休憩室及び更衣室」に関しては派遣先企業の状況によるため、人材派遣会社に情報を提供する必要があります。 全ての待遇状況を公開しなければならない派遣先均等・均衡方式は対応が難しいため、労使協定方式を採用することが多くなるかもしれません。 しかし、労使協定方式の場合は「均衡待遇」や「均等待遇」が正確に実現したとは言いにくいでしょう。 3-2. 各方式における対応の流れ 厚生労働省・都道府県労働局が作成した 「平成30年 労働者派遣法 改正の概要 」より抜粋 派遣先均等・均衡方式の場合、比較対象の正社員の待遇に関する情報を人材派遣会社にすぐに提供する必要があります。 人材派遣会社は、その情報をもとに派遣労働者の待遇を決定します。 一方で、 労使協定方式は人材派遣会社が最新の統計を確認し、労使協定を結んだ後に、派遣労働者の待遇を決定していきます。 人材派遣会社に比較対象の正社員の待遇に関する情報をすぐに提供しなくても良いため、対応はしやすいでしょう。 同一労働同一賃金が企業に与える影響 ここで、同一労働同一賃金が、企業に対してどのような影響を与えるのかについて解説します。 良い影響と悪い影響について表にまとめると、以下のようになります。 良い影響 社員のモチベーションが上がる• 非正規雇用労働者の待遇を改善することで、仕事への満足度が高まる。 離職率が低下し、スキルを持った人材が長期的に根付く組織になる。 生産性が向上する• 教育訓練正規・非正規に関わらず、さまざまな社員が活躍する機会を得ることができる。 非正規雇用労働者を含めた人材が自社に集まるようになり、人手不足が解消する。 悪い影響 労務コストがかかる• 非正規雇用労働者の賃金が上がるため、今よりも人件費が高くなってしまう。 法改正に伴う社内制度の改善に時間がかかる。 同一労働同一賃金の導入により、 企業にとっては今までよりも大きな労務コストがかかることが予想されます。 人件費だけでなく、交通費や昼食代、教育訓練や福利厚生にかかる費用など、さまざまなお金が必要になるでしょう。 しかし、 同一労働同一賃金に対応をすることで得られるメリットも多くあります。 非正規雇用労働者のモチベーションが上がれば、仕事への満足度向上、および離職率が低下します。 潜在的な能力を秘めた非正規雇用労働者が活躍する機会が広がることも考えられるかもしれません。 同じ仕事であれば、賃金は同一であるべき• 非正規社員のモチベーションアップにつながる 【反対側の声】• 何を持って同一労働とするのか曖昧• 日本の雇用慣習において欧米型の考え方は馴染まない 同一労働同一賃金の導入により各企業が受ける影響は不明瞭な部分も多く、同一労働同一賃金の考えに一定の理解はあるものの、現実的には対応しきれない企業も多くあるかもしれません。 いずれにせよ、 制度の導入に合わせて、しっかりとした準備をおこなうことが大切です。 企業が注意すべきポイント ここまで、同一労働同一賃金に対する対応についてまとめてきました。 さらに、これらを実施する上で注意しなければならないポイントについてもまとめました。 同一労働同一賃金の導入は、 非正規雇用労働者の待遇を正社員と同じにすることが目的ではなく、非正規雇用労働者の待遇が改善されることが目的です。 また、正社員の待遇が現状よりも悪くなることがあれば、正社員の仕事に対するモチベーションが低下してしまいます。 もちろん、正社員の中にも総合職や一般職などさまざまな違いがあり、待遇にも差があるでしょう。 その中で、 全ての雇用管理区分の正社員と非正規雇用労働者の間にある不合理な待遇の差を解消しなければなりません。 それぞれの職務内容に応じて、その職務の大変さや責任の重さなどは異なります。 バランスを考慮した上で、正社員と非正規雇用労働者が合理的だと判断する待遇にする必要があります。 全国で「 働き方改革推進センター」が設置され、 労務管理の専門家が無料で相談や支援をしてくれる• 各種対応のための情報 ウェブサイト・資料・マニュアルなど が提供されている• 裁判外紛争解決手続 『行政ADR』の規定の整備により、労働局長による紛争解決援助が受けられる これらさまざまな支援があることを念頭に置いた上で、同一労働同一賃金の導入に際して適切な対応ができるように準備してください。 まとめ 日本の人口が減少する中、企業が人手を確保することはとても重要です。 非正規雇用労働者への待遇が改善されることは、自社で雇用する労働者全体のモチベーションを上げるとともに、人材獲得や人材定着につながることでしょう。 もちろん、企業側にはさまざまな点において負荷がかかることと思います。 簡単に対応できるものではありませんが、法律が施行されれば対応しなければなりません。 同一労働同一賃金の背景について理解した上で、自社で取るべき対応について時間をかけて検討していくことが求められます。

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